台湾での焼肉店は二年間で半分が潰れた中で「乾杯焼肉」は毎年15%で成長している。日本人が作った店がどのようにして台湾人の好みを把握したのか?
平出莊司さんは「快感経営」と言う理念で賑やかな雰囲気を作り、ブランドを確立させました。
九年、三千日の間に、毎晩八時、十秒のキス、乾杯のサービスで三十五歳の「乾杯焼肉」社長の平出莊司は、こんな「超High!」という「快感経営」を通じて同業より二倍坪平均利益(毎坪五万元)を産み出し、台湾焼肉業界の王座を奪いました。
始めて平出莊司と会った時、「High」というものは全然感じられませんでした。サービス業のような愛想もないし、黙っている時は、むしろ厳しい軍人のようです。その厳しい顔の外国人が、何故地元の飲食店に勝って業界を驚かせているのか?
「小さくても強い」の戦略で最大利益を作り出します。総利益は六割、当期利益は三割になります。資源は少ないほど、利益が上がります。一日六時間だけ営業して最適な客回転とコスト比率で七つの支店の来客数は900人になり、年間売上高は一億五千万元(台湾ドル)となっています。もっと不思議なのはその「小さくても強い」の戦略で総利益が60%に達することです。
2006年に台湾での焼肉店の数は二万だったが、昨年の不況によって残りの店は一万弱となりました。このような崩壊の中に、平出の「乾杯」の業績は毎年15%成長してきます。毎年新しい支店も出ています。
大型レストランチェーン「王品集団」会長のダイさんの目から見てこの日本人は尊敬すべきライバルの一人です。「王品集団」の『原焼』焼肉店を例に比較すると、『原焼』の坪売上は(一坪あたりの売り上げ)二万五千元で平出の五万元の半分だけとなってしまいます。なぜなら、平出は来客回転数を握っているからである。
ダイと平出のコスト構成を比べると家賃は10%以下、人件費は20%、食材費は30%で、等しいと見られる二人はレストラン産業の決まった比率に合うわけですが、なぜ坪売上は半分の差があるのだろうか?
”経営因子をことごとく厳密にコントロールし小さい面積のわりに席が多くて賑やかな雰囲気を作り出す”
正解は客回転数だろう。『原焼』焼肉店を例に比較すると、午前11時半開店から午後休憩時間を除いて営業時間は9.5時間になります。平日には回転数が1.5回です。「乾杯」の営業時間は午後5時から11時までたった6時間ですが回転数は2回もあります。祝日の回転数は「原焼」では2回「乾杯」では3回もあります。
高い家賃、高物価の区域で九年生き抜くために計算しないわけには行かなかった。平出は『小さい店』の道に決めました。50坪未満の店に50席で平均消費額は600元、毎晩回転数が2回、3回となると売り上げは6万~9万になるわけです。
「口福」の会長許さんの分析によると『乾杯』の成功の鍵は経営因子の厳密なコントロールだそうです。面積はいつも50坪以下、裏道にある店の家賃は半分に減らせます。小さい場所に席の数を2倍にすることで、かえって賑やかな雰囲気を作り出す。その小さいところこそ、店員の数も減らせるし、食べ物を出すのは早いわけです。
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